撮影日 2013 / 11 / 01 photograph : Masabumi KIMURA
SITE(基地) 都市のツリーハウス
所在地 / 東京都目黒区原町
2013/11 竣工
設計・監理 : m-SITE-r/1級建築士事務所
構造 : なわけんジム
施工 : 有限会社 プランテック
計画地は風情ある西小山商店街の一角にある。昨今は、軒並み商店が店を閉め住宅等になり、店が少なくなり商店街という機能がなくなってきている。今回の計画も事務所併用住宅の計画であるが、商店街に面する計画地であるため地域と建築との距離感は大事にしたいものである。
木々が長年かけて成長していくように、建築も成長していく過程を人々と共に慈しみ、永久に成長を楽しみ続けるものが創れないものだろうか。
『木々は建築へ、建築は木々へ。』
根は地中にしっかりと張り巡らせ、要素を吸い上げながらしっかりと地上部を支え踏ん張り続け、核となる幹は、その恵みを受け空へ向かって強硬に成長する。そして、そこよりしなやかに伸びた枝は、降り掛かるパワーを受け止め限りない夢を望み、葉は精一杯生い茂り全身でエネルギーを体内に吸収しながらも、みんなの盾となり守る役目を果たしている。
冬
大地を突き破り力強く伸びてきました。
しばらくはこの剥き出しの状態で子供達の遊び場に開放。
春
温かくなり心地良い季節になったので、そろそろピクニックでもしましょうか。
枝の上にシート(床)を敷きました。
夏
葉が生い茂ってきました。
みんなに見守られながら出来た葉は、ピカピカの銅板一年生。
秋
紅葉の季節になりました。
葉は、空気や雨などの恵みを受け数十年かけ色付き続けます。
生命は建築へ、建築は生命へ。
建築はどのように生命に近づけるか?
自然界にある木と同じような構成として成り立たせたいと考えた。
あえて主構造のみをRC造とし、他の部分は代謝可能な木造を採用した。
核となる幹より枝が伸び、その枝で花や葉である床や壁を支え、核となる幹は地に張り巡らせた根で踏ん張って生きている。
幹よりしなやかに伸びた枝をイメージしたRC梁に、ただ木造の床を載せた構造。降り掛かるパワーは、枝に伝わり、幹に伝わり、大地へと吸収される。
根を意識した地下部の架構。地上部とは違った独特の地下の世界観を表現している。
下記より7月の型枠が外れ、枝の状態。
撮影日 2013 / 07 / 27 photograph : Kouichi TORIMURA
よりリアルに、建築が成長していく過程を人々と共に慈しみ、永久に成長を楽しみ続けるものが創るために。
銅板の経年変化を利用し、その銅板に皆さんの思いを込め外壁に採用する事で、建物の成長とそれに関わって頂いた人々の成長を思い出と共に振り返り、楽しみ続けるものになるのではないだろうか。
『あの部分ね、むかし僕がやったところだよ。』
またそれが地域に根付き、商店街に足を運んでもらうきっかけになれば。
みんなでつくった銅板の未来葉。日光を浴びて子供達の成長と共に成長していくんです。
加藤が実行委員を務める『西小山ミステリーツアー』との連動企画で『西小山のツリーハウスをサクラの花びらで飾りましょう』という事でツアー参加者や商店街のお客さんや商店主さんなどいろいろな方々にトンテンして頂きました。
まずは、桜の花びらをイメージした刻印を製作した。
結果、5月25日(土)と26日(日)の2日間で、約350組、総勢700人の方々に進行中の現場の前で銅板にトンテンして頂きました。
下記より竣工写真
このような考えの元で昨年の末に無事ツリーハウスは樹立した。これからの建築の変化、街の変化が楽しみである。
十数年後に銅板は緑青色の木となり、商店街そして街のシンボルツリーとなれるのではないだろうか。
撮影日 2013 / 11 / 22 photograph : Kouichi TORIMURA
下記より住み始めて5ヵ月
撮影日 2014 / 04 / 04 photograph : Kouichi TORIMURA